認知症の人との私なりの付き合い方

今日、Sさんを迎えに行ったら「あら、お姉さん、懐かしい靴履いてるわぁ」と言われた。色んなことを忘れちゃうけど、何かピンポイントで覚えていて、突然言い出したりする。どれくらい懐かしいのか分からないけど、朝ご飯のおかずがなんだったのか覚えてなくても秋から冬にかけて履いていたブーツを覚えていてくれて私も嬉しい。

認知症の人の記憶は大体が近い記憶から忘れてしまい、幼少の頃や一番強烈な事柄は忘れずにいて、時々その時代に戻ってしまったりする。脳梗塞や脳溢血などの脳の病から認知の症状が現れる人とアルツハイマー型と大体二つに分かれていて、付き合っていて面白いのがアルツハイマー型認知症の人。

親身になって話を聞くことが一番大事なんだけど、適度に適当に話を聞きながら良い加減にいいかげんなことを話したり。時には口からでまかせみたいなことを話して笑わせたり笑ったり。で、たまたまうちの利用者さんは冗談が通じる人たちばかりだから、そんなときは会話が漫才みたいになる。
「今何歳?」
「25歳」
「って、おいっ!」
みたいな。そんな会話をしてるうちに「この人相当性格悪かったんだろうなー」って人や、「子供好きなんだなー」ってことが分かってきたりする。

ただ、良い加減にいいかげんなことを本気でノリノリで言ってるときは受けが良いんだけど、いいかげんなことを言ってる自分を冷静に見ている自分がいるときは、いいかげんなことを見透かされてしまう。なんで分かっちゃうんだろう?って不思議。私の弱気なでまかせ(例えばなぜここにいるのかという理由)を嘘(じゃないんだけど)と見抜く人がいて、その人にホントのことを上手く伝えるときはちょっと緊張。

あとは、毎晩「帰る」と言って暴れる人とか…。帰宅願望は認知症状の中でも一番分かりやすい症状で、大体夕方近くになるとスイッチが入っちゃうみたい。
「どこに帰るの?」って聞くと
「○○(生まれ故郷)に帰る」って。
帰りたい場所が自宅じゃないんですよね。自宅にいても「帰る」ってなって外に出て行ったりするし、この帰宅願望は分かりやすい症状だけど謎です。とにかく「帰らないといけない」んだそうです。
「どこに帰るの?」
「家に帰る」
「まだバス来ないよ」
「あ、そう。でも行くわ」
「明日は帰れるよ」
「明日じゃダメなのよ。今帰る」
「今帰っても家の人いないから鍵掛かってるよ」
「それでも良いから帰る」
「家に入れないじゃん」
「入れなくても良いからもう行くわ」
「ご飯食べてから帰れば?」
「ごはんは食べなくても良いわ」
「だって一人で歩いて行ける距離じゃないよ」
「それでも良いわ」
「倒れたらどうするの?」
「倒れても良いから帰る」
「倒れたら意味ないじゃん」
「意味なくても良いわ」
「帰る」
「帰る」
「帰る」
「帰る」
「帰る」
一体どこへ帰るんでしょうか?とにかく一人で外に出してしまって事故や迷い人になってはいけないので、一緒に行けるときは外を少し歩きます。歩いてるうちにどこに帰るのか分からなくなるのか、どうでも良くなるのか疲れるのか。帰るのを諦めます。だけど「帰る」を阻止しようとすると、暴行が始まります。

帰宅願望が強い人だとこんな感じで、説得には応じません。弱い人だと「こうこうこうだから○時まで待ってて」と説得すると落ち着きます。

家族は大変だなーとつくづく思う。

少しは役に立ててるのかな?立ってると良いな。
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by wampp | 2009-04-18 23:16 | 日常のこと